2013年3月3日日曜日

カンボジアで見たインクルーシブ教育※


日本の支援により運営されているトロピエンスバイ幼小学校を視察しましたので、報告します。
トロピエンスバイ幼小学校は、貧困層の子どもたちのため、36年前に日本の支援により建設された学校であったが、地域と教員の協力により、新興住宅地にある首都プノンペン№2に表彰されるまでになっている。現在、学校では2部制で授業が行われているが、教室がそれでも不足している状況にある。
視察した46年生の午前中の学級では、私がこれまで日本でも見たことがないようなインクルーシブ教育が実施されていた。
近くにある寄宿舎付きの聾盲学校で3年生まで学んでいる。4年生以降の知的に問題がない子どもたちについては、トロピエンスバイ幼小学校に通っており、聴覚障害、視覚障害や健常の子どもたちが同じ教室で同じ授業を受けていた。障害ごとにまとまって座席には座っているが、聴覚障害の中でも軽度の子どもが手話で重度の子どもたちに通訳したりしている。障害の有無には関係なく、休み時間は子どもたちが仲良く遊んでおり、授業中も助け合っている姿が印象的だった。
視覚障害の子どもたちは、2人に1冊の点字の教科書で学習していた。点字の教科書は、健常児と同じ内容であり、個人ではなく聾盲学校の所有である。
障害の有無があっても、同じ授業を受けることが出来る。そのために必要な手話や点字の学習を聾盲学校で学び、高学年から健常児と全く同じ授業を受けているというインクルーシブ教育は、初めてだった。
こういうインクルーシブ教育も日本・モンゴルでも出来るといいと思う。

※インクルーシブ教育・・・障害有無によらず、誰もが地域の学校で学べる教育