モンゴル唯一の聾学校であり、児童数81名在籍している。そのうち60~65名が学生寮で生活をしている。全盲の子どもは少なく、弱視、盲の子どもが混ざってクラス編成がされている。教師は22名であり、そのうち、専門知識のある教員は3名(2名は小学部、1名は中学部勤務)おり、全盲教員もいる。年々、重複障害の子どもが増えており、リハビリも必要な子どももいる。
1年に1回しか入学が出来ず、1年に1クラス12人しか入学できないため、極僅かな子どもしか学習する機会がない。
2005~2009年には、外部の支援によりマレーシア、台湾、インドなどで専門知識を学ぶために1、2週間、最大1か月の研修に参加をしてきた先生もいる。研修に参加してきた教員から他の教員への情報共有、知識還元を学内でしている。
モンゴルで唯一の聾学校なので、地方からも子どもたちはやってくる。しかし、子どもたちの飛行機代、学生寮代など経済的な問題も多くあるが、国からの支援はない。白杖も個人購入のため、多くの子どもはもっていない。学校には支援された白杖があり、授業もされている。アメリカに留学していた女性が連れ帰ってきた盲導犬が1頭だけモンゴルにいる。現在、盲導犬訓練もモンゴルではされていない。
点字は、今も人の手作業で行っているため、点字の教科書が不足している。日本やアメリカなどでは、文字を点字にしてくれるコンピューターソフトがあるが、モンゴル語版はない。コンピューターが10台導入されており、視覚障害用のソフトも存在するが、モンゴル語版がない。そのため、現在、3人の教員がコンピューター指導のために必要な技術を学んでいる。
視覚障害のある子どもたちに必要な教材・教具は、海外からのものが多く、高価なため、入手が困難である。
音楽の先生が熱心で、子どもたちにピアノを教えているという。
学生寮を見学した。
男女で階を変えており、安全面には気をつかっている。今まで見てきた学生寮と違う点は、以下のとおりである。
・24時間看護師が常駐し、子どもたちの変化に対応できるようになっている。
・洗濯や掃除などをする子どもたちの世話をする大人が、学生寮の先生以外にたくさんいる。
・ベットが1段である。
・床に何も置かれておらず、必要最小限の物しかない。
・学習室があり、点字の学習などがいつでも出来る環境である。
・点字表示が廊下、階段にされている。
・各部屋にコンピューターが1台ずつある。
・男子の部屋には、各部屋ピアノが1台ある。
・とにかく、広い!明るい!きれい!
新川 真有美
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