バヤンゴル地区、ソンギノハイルハン地区の知的障害のある1~9年生までの204人の子どもたちが通学している学校で3地区にある。最近は、重度の子どもが増えてきており、自閉症、ダウン症の子どもも増えてきている。社会主義時代には、スクールバスがあったが、現在はない。子どもたちの90%がゲル地区より通学しており、親の送迎が基本である。そのため、親の仕事等に支障が生じたり、貧困層家庭が多く通学に必要なバス代が支払えなかったりなど通学に問題があるため、保護者も教員もスクールバス運行を望んでいる。
教師29人のうち、特別支援教育専門教員は7名であるが、全員、定年が近い。作業療法士(OT)の資格も持った小学校教員が1~5年生の担任をしている。
現在、18クラスあり2部制をとっている。午前は8時~11時45分、午後は12時~16時30分まで授業がある。1クラス10~15人の子どもに対し、担任1人で指導している。中等部の子どもたちはこの人数割合でも大きな問題がないが、小学部、特に1・2年生の子ども達15人を担任1人が担当するのでは、細やかな指導は困難である。中学部には車いすの子どもは在籍していないが、小学部には8名の子どもが車いすを使用しており、1クラスに最大で2名いる。親のサポートが少しあるものの、自閉症、ダウン症の子どもも各クラス1.2名いるので、担任1人では非常に厳しい状況である。
子どもたちは、国語・算数などの基礎科目と自立活動科目を学んでいる。自立活動科目は、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、理学療法士(PT)が担当し、個人の場合は1人20分、少人数グループの場合は1回40分授業を行っている。
現在校舎を増築中である。新校舎に1~9年生が学習できるようにし、旧校舎に高等部を新設、職業訓練科目(美容師、エステシャン、縫製・手工芸、製菓・製パン)を充実させる予定である。8・9年生の授業に「美容師」と言う科目を3年前から取り入れている。その子たちを高等部に進学させるとともに、美容師としての技術を向上させ、就職することが狙いである。
数年前に、IEP(個別の指導計画)、個のニーズにあった教育の必要性を助言された。しかし、個のニーズにあった教育というものが初めは全く理解が出来なかった。ようやく最近になり少し理解が出来るようになり、現在では重度の子どものIEP作成するまでになっている。中軽度の子どもたちについては、グループもしくはクラス単位で年間指導計画を導入しようとしている。
今年は6歳から13歳の1年生が入学した。やはり、親が学校に行かせることを拒否していたことによる入学の遅れとのことである。
新川真有美
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