2012年11月20日火曜日

現地レポート④ ~第55番学校(知的障害)~



バヤンズルフ地区の530人の子どもたちが通学している小中高学校で、1978年に設立された。1989年までは旧校舎のみで、4クラスしかなかった。設立当時より知的障害のある子どもたちも受け入れ、現在は480490人となっている。小中学部は、全員が障害のある子どもたちである。知的障害、自閉症、ダウン症、脳性麻痺など様々な障害をもっており、比較的軽度の子ども、発達障害の子どもが多いのが特徴である。高等学校は職業訓練(コンピューター、木工、縫製、美容師、調理師)を目的とした健常児も多く在籍している。職員数は、計78名である。そのうち、教員が55人、職人が23人である。その中には言語聴覚士(ST)、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)も含まれている。
小中学校は、教科書は通常校と同じものを使用しているが、通常学校とは違う独自のカリキュラムを用い、授業数、指導法なども工夫して授業を行っている。例えば、5年生だけど、4年生の教科書を使用するなど、学年にとらわれずに使用している。先生たちは、4年生のモンゴル語、4年生の算数の教科書を作成し、その教科書も使用している。また、他の学年も教科書を作成していきたいのだが、時間と経済的理由で止まってしまっている。小中学校の成績は、国の評価方法と同じ方法で評価をしているが、特別に個の能力を配慮して、担任が成績を付けている。担任一人で1クラス1215人を受け持っている。
小中学校終了後、高校入試を受け、合格したものだけが高等部に進学できる。合格できなかったものは、自宅にいることになってしまう。高等部で職業訓練を受け、技術を身につけた者の4050%はその技術を活かして、働いている。大学や専門学校に進学をする卒業生(健常児もしくは軽度障害)もいる。「1つのことを集中して技術を身につけた学生を育てた方が、社会で生きていく力が身に付くのではないかと考えている。そのため、家族を守る、ルールを守るなど社会的な生活を学ぶ科目を重視したカリキュラムを作っていきたい」と校長先生は言われた
 新川真有美 

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